相続コラム
その他
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2018.08.16
法定相続人のなかで相続させたくない人がいる場合、例えば、非行を繰り返す二男には相続させたくないという相談がよくあります。
その場合、方法の一つとしては、相続させたくない子以外の者に対して財産を相続させるという遺言をすれば二男は相続できないことになります。
しかし、民法上、遺留分という制度があり、子は法定相続分の2分の1の割合で相続財産を取り戻す権利(遺留分減殺請求権)が認められていますので、この権利を行使された場合は遺産の一部は取得されてしまうことになります。
つまり、遺留分制度の存在により、遺言でまったく相続させないとすることには限界があるのです。
上記の方法と異なり、相続権を完全に失わせる方法として、民法上、「廃除(はいじょ)」という制度があります。
これは、子が親を虐待するとか、重大な侮辱を加えたとか、その他著しい非行があった場合に、相続人の資格を失わせる制度です(民法893条)。
廃除をするためには、家庭裁判所に申立てを行い、廃除の審判を受けることが必要です。
ただ、廃除は、相続人の資格そのものを奪うことですから、簡単に認められるものではなく、裁判所が双方の言い分を十分に聞いたうえで慎重に判断されます。
廃除の審判があると、廃除された相続人は、申し立てた被相続人との関係において相続人としての地位を失います(民法887条)。
これにより、廃除された相続人は遺留分もなくなることになります。
ただし、廃除された相続人に子どもがいる場合は、その子どもは代襲相続する権利を失っていませんので、その子どもが相続することになります。
それでも廃除をする意味があるかどうか、よく検討する必要があります。
また、相続人の廃除は遺言ですることも出来ます。この場合は、被相続人の死亡後、遺言執行者が廃除の申立てを家庭裁判所に行うことになります。
廃除の審判が出て廃除が決定した後に、廃除した相続人との仲が回復したような場合は、廃除の取消しをすることができます(民法894条)。
廃除の取消しについても、家庭裁判所への申立てが必要です。
また、廃除の取消しを遺言ですることも可能です。
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