相続コラム
その他
その他
2020.05.20
(1)相続分を譲渡するメリット
① 遺産分割協議に参加せずに済む
遺産を取得したくない場合、遺産分割協議に参加したうえで遺産を取得しない合意をすることが可能ですが、相続人が多くいる場合など遺産分割協議が長期化することもあり、全員の協議がまとまるまで、解決することができません。
これに対し、相続分を他の相続人に譲渡する場合、譲渡人と譲受人の二者間の合意だけで成立しますので、遺産分割協議に参加する必要がなくなります。
② 相続放棄の手続が不要
遺産を取得したくない場合、相続放棄の手続をすることが可能ですが、相続放棄は家庭裁判所に必要書類を提出して相続放棄の申述を行わなければなりません。
相続分の譲渡であれば、このような手続を取る必要がありませんので簡便です。
(2)相続分譲渡の方法
相続分を譲渡する方法については特に法律の要件はなく、書面を作成せず口頭で合意するだけでも足ります。
しかし、合意の内容を明確にし、後々のトラブルを防止するためには、合意の内容を記載した「相続分譲渡証書」を作成したほうが良いです。
(1)具体例
相続分を第三者に譲渡することが有効な具体例としては、以下のようなケースがあります。
【AさんがBさんに借金をしていたところ、Aさんの父Xが亡くなり、Aさんは法定相続人として相続分があるため、この相続分をBさんに譲渡することで借金を清算する場合】
(2)相続分譲渡の方法
相続分を譲渡する方法については特に法律の要件はなく、書面を作成せず口頭で合意するだけでも足ります。
譲渡の有償、無償も問いません。
しかし、合意の内容を明確にし、後々のトラブルを防止するためには、合意の内容を記載した「相続分譲渡証書」を作成したほうが良いです。
また、相続分譲渡を譲渡人以外の共同相続人に通知する必要があるか否かについては、必要とする説と不要とする説とに分かれています。
念のため、通知をしておくと安心でしょう。通知は譲渡人から行うことになります。
(3)相続分譲渡の効果
譲受人は、譲渡人が有していた包括的持分を取得するので、他の共同相続人に対し遺産分割を請求できます。
反対に、譲渡人は遺産分割請求権を失います。
譲渡人は、遺産分割の協議、調停、審判に参加でき、他の相続人は譲受人を参加させなければなりません。
その他
2018.09.04
相続 遺産調査の方法~23条照会(弁護士会照会)について 1 遺産が不明の場合 相続のご相談で多くあるのが、遺産の内容を把握できないという問題です。 例えば、被相続人が生前同居していた家族の一人が事実上の財・・・
その他
2020.06.12
空き家相続サービスの協力弁護士になりました 1 増加する空き家問題 社会の高齢化に伴い、空き家問題が社会問題となっています。 空き家が放置されてしまう理由は様々ですが、所有者が高齢で判断能力が衰えてしまい、・・・
その他
2018.08.20
相続に際しての香典や葬儀費用の取り扱いについて 1 香典は誰のものか 香典は、葬儀の際に、死者への弔意などのために贈られるもので、法的には、葬儀主宰者(喪主)や遺族への贈与とされています。 従って、被相続人・・・
その他
2018.08.23
遺言執行者の選任と役割 1 遺言執行者とは 亡くなった人の遺言が残されていた場合、その遺言の内容を実現するためには、様々な手続きが必要です。 預貯金の解約・分配手続きや、不動産の登記手続き、遺贈や寄附行為な・・・
その他
2019.11.05
被相続人の預貯金口座の払戻し手続き、名義変更手続きについて 1 はじめに 銀行実務においては、通常、相続人が単独で被相続人名義の預貯金を引き出すことを認めていません。 金融機関は、預金者の死亡が分かった時点・・・
その他
2019.10.18
遺言執行者の解任・辞任 1 遺言執行者の解任 遺言執行者がその任務を適切に行わない場合、利害関係人は家庭裁判所に対し、遺言執行者の解任を請求することができます。 解任を求めるには、「任務を怠った」こと、ある・・・
その他
2020.09.08
結婚や養子縁組と相続の関係 1 婚姻や普通養子縁組と相続は無関係 結婚して姓が変わった娘や養子にいった息子にも、親の遺産について相続権があるのでしょうか。 このような場合も、もとの親との親子関係が存在するこ・・・
その他
2023.03.28
配偶者居住権について、弁護士が解説します 1 配偶者居住権とは 配偶者居住権とは、夫婦のどちらか一方が亡くなったときに、残された配偶者が、亡くなった配偶者と一緒に住んでいた家に居住を続けることを認めた権利です。 夫婦が一・・・
その他
2018.08.16
相続人の廃除 1 遺留分の壁 法定相続人のなかで相続させたくない人がいる場合、例えば、非行を繰り返す二男には相続させたくないという相談がよくあります。 その場合、方法の一つとしては、相続させたくない子以外の・・・