相続コラム
特別受益
特別受益
2018.06.18
相続人が複数いる場合に、その相続人の一部の人が、生前に被相続人から贈与を受けたり、遺贈を受けたような場合、その受けた利益を「特別受益」と言います。
特別受益がある場合、そのままでは相続人間で不公平が生じることになるため、その不公平を是正する制度として、特別受益の持ち戻しという制度が法律上定められています。
では、特別受益の持ち戻しは具体的にどのようにして行うのでしょうか。
まず被相続人の財産にその贈与等特別受益の価額を加えたものを相続財産として計算し、特別受益を受けた共同相続人の取得分は、法定相続分(または遺言で定められた相続分)から贈与等特別受益の額を控除した額となります。
これにより、共同相続人間の公平を図ることが出来ます。
民法上、特別受益の対象として以下のものが定められています。
ただし、実際の事例においては、特別受益にあたるかどうかの判断が難しいものが多く、内容や金額等に応じて具体的に判断する必要があります。
特に、③については、明確な基準があるわけではなく、実務においても争いになるケースが非常に多くあります。例えば、子どもが自宅を購入する際に一定のまとまった金額を贈与した場合には特別受益にあたりますが、学費を出してやったような場合は、親としての扶養義務を果たしたにすぎず特別受益にはあたりません。
実際に特別受益にあたるかどうかは、様々な裁判例などを参考に判断していく必要があります。
上記の通り、特別受益があった場合には持ち戻しを行うことになりますが、例外的に、被相続人が持ち戻し免除の意思表示をしていた場合には、特別受益の分を遺産に戻さなくてもよいことになります。この意思表示を、「持戻免除の意思表示」と言います。持戻免除の意思表示は、書面等で明示されているものでも、黙示のものでも構わないとされていますが、後のトラブルを回避するためには、書面で明示しておくのがよいでしょう。
特別受益
2020.05.29
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