相続コラム
相続放棄&限定承認
相続放棄&限定承認
2018.08.10
例えば、親が多額の借金を残して死亡した場合、子である自分が借金を返済しなければならないのか、不安になることがあるかもしれません。
そのような場合、法律では、相続を放棄する旨を家庭裁判所に申述すれば、初めから相続人とならなかったものとみなされますので、借金を引き継ぐことはありません。
これを、相続放棄と言います。
①遺産が本当にマイナスかどうか
相続放棄を検討する場合に注意しなければならないのは、放棄をする場合、遺産の全てを相続する権利を放棄することになるという点です。
つまり、借金などのマイナスの遺産だけでなく、親が自宅不動産を所有していたなどプラスの遺産もある場合、そのプラスの遺産も含めて相続する権利がなくなるのです。
従って、相続放棄をすべきかどうかは、遺産の全体を見たうえで、マイナスの財産のほうが多いのかどうかを見極める必要があります。
②期間の制限
相続放棄は、相続の開始を知ったときから3か月以内にしなければならないことが法律で決められています(民法915条1項)。
③相続財産を処分等していないこと
相続財産の全部または一部を処分したり、隠したり、消費すると、相続放棄の効力は認められないことになります。
従って、放棄をするのであれば、遺産である預貯金を引き出したりすることは絶対に控えましょう。
相続放棄の手続きは、相続放棄の申述書と言う書面と、放棄をする人の戸籍謄本、被相続人の戸籍謄本などを揃えたうえで、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。
そうすると、家庭裁判所は、放棄が真意に基づくものであることを確認し、受理します。
申述人は、家庭裁判所から相続放棄の申述受理の証明書の交付を受けることが出来ます。
相続放棄をすると、放棄をした相続人は、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。
法定相続人のうちの誰かが相続放棄をした場合、相続を放棄しなかった他の相続人に借金などが相続されますので、他の相続人にも相続をさせたくない場合には、その人にも相続を放棄するよう促すのが賢明です。
上記のように、そもそも相続放棄をすべきかどうかは、遺産が全体としてマイナスなのかどうかを判断しなければなりませんが、遺産の調査や金額の評価は複雑で困難なことが多くあります。
しかも、それを3か月以内にするというのは法律の素人の方には大変なことです。
弁護士にご相談いただければ、遺産の調査や評価を行ったうえで、相続放棄をすべきかどうか適切なアドバイスをすることが出来ます。
また、相続放棄の手続きを間違いなくするためには、必要書類を揃えたうえで家庭裁判所に提出しなければなりませんが、弁護士に依頼をした場合は、書類の取り集めから家庭裁判所への提出まで、全てを弁護士に任せることが出来ます。
相続放棄に関しては特に期間の制限もありますので、もはや手遅れ、となってしまう前に、早めに弁護士にご相談いただくことをお勧めします。
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