• 0356566380
  • お問い合わせ

受付 平日9:30~17:30

相続コラム

その他

その他

遺言執行者の解任・辞任

2019.10.18

遺言執行者の解任・辞任

 

1 遺言執行者の解任

遺言執行者がその任務を適切に行わない場合、利害関係人は家庭裁判所に対し、遺言執行者の解任を請求することができます。

解任を求めるには、「任務を怠った」こと、あるいは「その他の正当な事由」が必要です(民法1019条1項)。

具体的には、遺言執行者は遅滞なく財産目録を調整し、これを相続人に交付しなければならないところこれを行わなかったり、相続財産の管理や遺言の執行にあたって必要な行為を怠っている場合に解任事由となります。

また、遺言執行者の解任審判の申立を行っても、ただちに遺言執行者の地位が失われることにはなりませんので、緊急に遺言執行者の職務執行を停止させる必要がある場合には、審判前の保全処分として遺言執行者の職務執行停止、職務代行者選任の審判を申し立てることができます。

 

2 遺言執行者の辞任

遺言によって遺言執行者に指定された場合、遺言執行者に就くことが強制されるわけではありません。

従って、指定された人は、遺言執行者に就くか就かないかを自由に決めることができます。

ただし、いったん遺言執行者に就くことを承諾した場合は、職務の途中で自由に辞任することはできません。

正当な事由があるときに限り、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます(民法1019条2項)。

辞任が認められる正当な事由は、例えば、遺言執行者の病気や長期の不在があります。

家庭裁判所は、執行者が就任した際の事情、執行事務の内容(難易度)、執行者として報酬を受けているか否かなどの事情を総合考慮のうえ、正当事由の有無を判断します。

辞任が認められた場合、遺言執行者の任務が終了し、その時点で、相続財産の管理処分権が相続人に移り、遺言執行者は、管理していた相続財産を相続人に引き渡さなければなりません。

このように、遺言執行者にいったん就任した後に辞任するには一定の要件が必要ですので、就任するかどうかは慎重に判断するべきでしょう。

その他の関連コラム

その他

相続人の廃除

2018.08.16

相続人の廃除   1 遺留分の壁 法定相続人のなかで相続させたくない人がいる場合、例えば、非行を繰り返す二男には相続させたくないという相談がよくあります。 その場合、方法の一つとしては、相続させたくない子以外の・・・

詳しく見る

その他

結婚した娘や養子にいった息子の相続権

2020.09.08

結婚や養子縁組と相続の関係   1 婚姻や普通養子縁組と相続は無関係 結婚して姓が変わった娘や養子にいった息子にも、親の遺産について相続権があるのでしょうか。 このような場合も、もとの親との親子関係が存在するこ・・・

詳しく見る

その他

相続分の譲渡

2020.05.20

相続分を他の相続人に譲渡する場合、第三者に譲渡する場合について   1 相続分を他の相続人に譲渡する場合 (1)相続分を譲渡するメリット ①  遺産分割協議に参加せずに済む 遺産を取得したくない場合、遺産分割協・・・

詳しく見る

その他

香典や葬儀費用の取扱いについて

2020.08.25

相続において香典や葬儀費用をどのように扱うべきか   1 香典、葬儀費用の法的性質 香典について、法律の規定はありませんが、慣習上喪主へ贈られる贈与と解されています。 葬儀費用についても法律上の規定はなく、必ず・・・

詳しく見る

その他

相続 遺産調査の方法~23条照会(弁護士会照会)について

2018.09.04

相続 遺産調査の方法~23条照会(弁護士会照会)について   1 遺産が不明の場合 相続のご相談で多くあるのが、遺産の内容を把握できないという問題です。 例えば、被相続人が生前同居していた家族の一人が事実上の財・・・

詳しく見る

その他

空き家問題

2020.06.12

空き家相続サービスの協力弁護士になりました   1 増加する空き家問題 社会の高齢化に伴い、空き家問題が社会問題となっています。 空き家が放置されてしまう理由は様々ですが、所有者が高齢で判断能力が衰えてしまい、・・・

詳しく見る

その他

農地の相続

2019.12.24

遺産のなかに農地がある場合の相続手続き   1 農地の相続手続き 農地の所有権を移転する場合には、原則として農地法所定の許可が必要です。 また、所有権移転登記を申請する際には許可書を提供しなければなりません。 ・・・

詳しく見る

その他

遺言執行者の選任と役割

2018.08.23

遺言執行者の選任と役割   1 遺言執行者とは 亡くなった人の遺言が残されていた場合、その遺言の内容を実現するためには、様々な手続きが必要です。 預貯金の解約・分配手続きや、不動産の登記手続き、遺贈や寄附行為な・・・

詳しく見る

その他

相続人に未成年者がいる場合

2020.03.18

特別代理人の選任手続について   1 特別代理人が必要な場合 例えば、父親が死亡して、法定相続人として妻と未成年の子どもがいる場合、遺産分割協議はどのように行えばよいでしょうか。 この場合、妻は子どもの単独親権・・・

詳しく見る

その他

農地の相続

2018.08.30

農地の相続   1 農地の相続の方法 遺産に農地が含まれている場合には、農地法の規制に注意する必要があります。 農地法は、農地が農家でない者の手に渡って荒廃するなどの不都合を防止するため、 農地の売買や賃貸借を・・・

詳しく見る

相続のことならまずはお気軽にお電話ください。