相続コラム
遺言書
遺言書
2020.05.15
被相続人が、生前、公正証書遺言を作成したと言っていたものの、それがどこにあるかわからない場合、どうしたらよいでしょうか。
公正証書遺言は、原本、正本、謄本の合計3通が作成され、原本は公証役場で原則20年保管されます。
正本は、遺言執行者が執行のために保管し、謄本は遺言者が保管するのが一般的です。
遺言執行者がいない場合には、正本は遺言者が保管し、謄本は相続人の一人が保管するのが一般的ですが、正本・謄本ともに遺言者が保管する場合もあります。
上記のとおり、通常は、正本あるいは謄本を遺言者が保管しているはずですので、遺言者の自宅や貸金庫などに存在することが一般です。
そのような場所に見当たらない場合でも、遺言書が公正証書遺言であれば、公証役場に遺言の検索を依頼して探してもらうことが可能です。
日本公証人連合会では、「遺言検索システム」を導入しており、昭和64年1月1日以降に全国の公証人役場で作成された公正証書遺言を登録し、検索ができる状態になっています。
遺言者の死後であれば、相続人、受遺者は、どこの公証人役場でも調査を依頼できます。
被相続人が、遺言書を書いたと生前に話していたけれども、公正証書遺言ではなく自筆証書遺言であった場合はどうでしょうか。
自筆証書遺言は、その保管方法が法律で定められているものではないため、残念ながらこれを見つける有効な方法はありません。
このように、自筆証書遺言は、破棄や紛失のおそれがあります。
これに対し、公正証書遺言は、原本が公証役場に保存されていますので、破棄や紛失、偽造、変造のおそれがなく、非常に安全な方法と言えます。
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