相続コラム
遺言書
遺言書
2018.08.17
遺言書を法的に有効に作成できる能力のことを遺言能力と言います。
この遺言能力は、自ら判断しその意思を表明する能力(意思能力)のある15歳以上の人であれば認められます。
認知症の人であっても、症状の程度によっては意思能力が認められることはありますし、意思能力の全く認められない状態であっても、その後本心に復することもあります。
このような時期に遺言書を作成することは可能です。
また、遺言の内容によって、必要とされる意思能力の程度も異なると考えられますので、全財産を誰々に相続させるというような簡単なものであれば、多少の認知症状があっても意思能力ありと判断されることもあるでしょう。
従って、まずは、認知症の具体的症状や程度について、よく医師の意見を聞く必要があります。
遺言は法律で定められた方式に従って作成しなければその効力が認められません。
法律で定められた方式としては、自筆証書遺言や公正証書遺言などがありますが、とりわけ認知症状が疑われるような場合には、公正証書遺言で作成することをお勧めします。
なぜなら、自筆証書遺言の場合は、遺言者が亡くなった後になって、当時の遺言能力の有無が問題にされるおそれがあり、それが否定されるリスクが高いですが、公正証書遺言の場合には、公証人の面前で遺言者が口述し、証人2名の立会いも必要とされるため、遺言能力があったことを証明できる可能性が高くなるからです。
出来れば、証人として医師に立会いをしてもらうとなお良いでしょう。
公正証書遺言は、通常は公証人役場に出向いて作成しますが、病院や自宅に出張してもらって作成することも可能ですので、公証役場や医師を含めてよく話し合ってみてください。
公正証書遺言の作成を弁護士に依頼した場合には、公職役場との打合せなども全て弁護士が行いますので簡便です。
認知症だからといって遺言書の作成をあきらめず、まずは医師や弁護士に相談することをお勧めします。
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